はこむす新ブログ

「坂の上の雲」は

2025-02-17 01:46:13
2025-02-28 14:28:59
目次

司馬遼太郎の「坂の上の雲」。

読んだ切掛は五年くらい前の帰省の際、松山で行くところを模索してるうちに「坂の上の雲ミュージアム」と「萬翠荘」を訪れたことでした。司馬遼太郎の小説は好きで戦国ものはけっこう既読だったんですが本作はタイトルくらいしか耳にしたこともなく。誰が主人公格なのかも知らない有様でした。で、そのまま実家に行って、退屈なままに電子書籍で合本版を購入して読み耽りました。

最近NHKでドラマ版を放映しているので録画しながら見てるのですが、原作が「膨大な寄り道」に彩られている中でよく場面を切った貼ったしてドラマにしているなあ…と 興味深く視聴しています。個人的には「膨大な寄り道」の方がかなり好きで、もう少しそのへんを織り込んでもらえたらなあと残念な気もするのですが、尺が限られている映像作品ではしょうがないですよね…。

そろそろバルチック艦隊との日本海海戦に入るのですが、これまた個人的にはそのバルチック艦隊の大航海がほぼ映像になってなさそうなので残念です(´・ω・`)。いや、「バルチック艦隊」て日露戦争をなぞる上では絶対出てきますが…「坂の上の雲ミュージアム」で航海図を見るまで「え? ほんとにあのバルト海の艦隊を回航して日本海まで持ってったの!?」という、「何言ってんだコイツ」的な驚きがあったんですよね。

まあバルト海が本拠地の艦隊だからバルチック艦隊な訳です。当たり前のことなんですが、それが日本海に到達しようとすれば、相当な大航海です。大西洋を渡ればいい、とか太平洋を通ってくればいい、とかそんなんじゃなく。主力艦隊はスエズすら通れずアフリカをぐるりと回ってインド洋を突っ切っての移動…。ほんとに驚いたんですね。大航海時代さながらの航路を当時の大艦隊がよくもまあ無事に来られたものだ、と。

小説を読みたくなったのもそのへんが気になったのが大きかった気がします。

読んでみるとこのへんは大変長く、かつ、面白い。司令のロジェストヴェンスキーには申し訳ないですが三谷幸喜あたりが脚本起こして1クールくらいのドラマにしても十分面白いんじゃないか…と、思います。イギリスの妨害、本国の無策ぶり、途中で合流先の艦隊が壊滅して目的を達成できなくなってからの本国からの増派(しかも本人が敢えて「戦力外だから」と連れてこなかった艦艇を押しつけられる)、「もうダメです交代させてください」と訴えても叶えられず、もうよくこの司令ぶりで落伍もなく日本海まで持ってきたなあ…と ある種の感動すら覚える。

その苦心惨憺の大航海のゴールに待ち受けるのは必死の覚悟で練度を極めた日本の連合艦隊。結果は「全滅」… なのに司令官は発見されて虜囚となってしまうという。

このあたり、主役級に描写すべきはロシア側の方では…と思ってました('A`;)さすがにそれはなさそうですね。そりゃそうか。

この記事を書いた人

カフN

趣味でフィギュアを作り始めて早いもので10年以上…。「ワンダーフェスティバル・第28期WSC」に選ばれたこともありました。それも今や昔のものがたり。 自分の人生に見切りを付け、2024年末でサラリーマンも卒業しました。次は人生卒業か…。